処女作
僕がブログを始めた目的のひとつに、小説を読んでいただきたいというものがあります。
なんの修行もせず拙いものですが、どおかお付き合いいただけるとと嬉しいです。
今年の9月に書き始めた第1弾の一部を恥ずかしながら掲載いたします。
「厄除けのこけし」
平成29年9月9日
国際通りを歩く若者たちは、みな人生を謳歌しているように見える。
満面の笑顔で自らの美しさを披露する、女たち。
背筋を伸ばし堂々と闊歩し、時に大きな声で笑い会う男たち。
この場所にいる人々は、まるで何か魔法にかけられたかのように、楽しそうである。
ぼくが、そのこけしを見つけたのは、沖縄の夏には珍しく、一滴の雨さえ降らない日々が続いていた8月の中旬だった。
いつものように早朝、国際通りのドンキホーテに行くと、まず搬入口の奥にあるエレベーターべ4階に登り、トイレを済ませる。それから、外国人向けの比較的高価な商品をおいているこのフロアの香水売り場で、今日の気分にあった香水を振り掛ける。
その後、3階、2階と1つずつエスカレーターで降りながら各階を探索して行く。